接骨院と整体院の大きな違いには国家資格の有無があり、整体院の場合は開業や施術にあたり必要な国家資格はありません。一方、接骨院の場合は、柔道整復師の国家資格がないと開業できないことになっています。
柔道整復師になるには高校卒業後に3年制以上の養成学校の課程を修了し、国家試験に合格しなくてはいけません。柔道整復師は、解剖学やリハビリテーション学、整形外科学などを学んでいて、高い専門的知識をもって施術を行っています。
それに対して整体院は、一般的に専門のスクールで学んだり、関連業務の経験を積んだりして知識を身につけるだけで開業しています。整体院で施術をしている多くは関連団体が主催する民間資格を取得していますが、無資格の者でも施術を行っています。
接骨院と整体院では受けられる施術も異なります。整骨院では、打撲や捻挫などの怪我に対し、手技で元の位置に戻す整復や固定などを行って症状の改善を図りますが、このような施術を整体院で行うことはできません。
さらに、整体師は医業類似行為にあたるマッサージや鍼灸などを行うこともできません。整体院での施術は、骨盤や背骨を整えて矯正して筋肉の疲労をほぐす施術や運動指導などが主となり、接骨院と比較して施術できる範囲がかなり狭いです。
接骨院と整体院では、保険適用の有無でも違いがあります。整体院での施術は、疲労回復を目的としており医療保険は適用されないため、全額自費での施術となります。
整骨院では、施術内容によって各種保険が適用され、それは柔道整復師が医業類似行為を行うためです。ちなみに、整骨院で保険が適用となるのは、外因性であることが明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷に対する施術となっています。